こんにちは!
画家活動をしております、しみずゆたかです。
現在、水彩画を中心に作品を制作しています。
水彩画作品
ここでは、実際に水彩絵の具を使用していて感じてたことや経験したことについて、これから水彩画を描きたい、あるいは、水彩絵の具の使い方や使っていて困っている人に向けて、少しでも参考にしていただけるようお伝えしていきます!
水彩絵の具をこぼして時間が経った服やカーペットのシミ、なかなか落とせず困ってしまったことってありませんか?
せっかく気に入っていた洋服にシミを作ってしまうとがっかりしますよね。
でも、落とすことは可能です!
しかし、闇雲に洗濯機に洗剤を入れて回してもなかなか綺麗には落ちません。
シミって洋服の繊維の深くまで汚れが浸透していますから、下手に無理して落とそうとすると、かえって繊維を傷めてしまいます。
そこで染みを落とすためにまず水彩絵の具の特性を知った上で正しい方法で行う必要があります。
水彩絵の具の成分とは?
水彩絵の具の特性として理解しなければならないのは、水彩絵の具の主成分が何であるかとうことです。その成分がどのような特徴を持っているか、また、それぞれの成分がおたがいの特徴をどう補っているのかという点について解説します。
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水彩絵の具の成分は顔料と接着剤
水彩絵の具の主成分は、顔料といわれるものと接着剤(水溶性のある成分を含む)の2つです。
顔料っていうのは細かい粉末の着色剤で水にも油にも溶けない性質があります。
顔料は粉末ですから、そのままでは衣類に色がつきません。
そこで、接着剤の働きが顔料を衣類に定着させます。
これが水彩絵の具の特徴です。水彩絵の具のシミを落とすためには、顔料と接着剤それぞれの特性を考慮に入れながら、手順どおりに行う必要があります。
↓↓ 水彩絵の具のシミの落とし方 ↓↓
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それぞれの特性を考えてシミを落とそう!
今回、シミをこぼしてしまったのはこちらのバスマットです。

ピンク色の絵の具をこぼした跡が見えます。
これは、水彩絵の具をこぼして水彩絵の具に含まれている水分が完全に抜けて絵の具の成分だけが固まってシミになったものです。ここまで来ると普通に洗濯してももうこのシミは落ちません。
お伝えした通り、顔料と接着剤それぞれの特性を考慮に入れながら、手順どおりに行う必要があります。
繊維の素材(特徴と注意点)
水彩絵の具のシミを落としていく上で、水彩絵の具の特性を知ること以外にも考慮に入れなければならないことがあります。それが、シミが出来てしまった衣服などの繊維の素材の特性についてです。
素材によっては、繊維の特徴としてシミ落としに使用していいものや使用してはいけないものなどが存在します。せっかくの衣服やカーペットなどの繊維を傷めて台無しにしてしまうことがないようにするために素材の特徴の確認方法について簡単に解説します。
※ここでは今回使用したバスマットの素材について触れます
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使用したバスマットの繊維
もう一つ考えければならないのが、このバスマットの素材が何であるかを知ることです。
それによって、シミを落とすときに使用していいものといけないものについて知ることが出来るからです。バスマットの素材はこちらです。

画像の通り、このバスマットは
①ポリエステル100パーセント
②ラテックスがさらに施されているラテックスはゴム製の乳濁液
です。
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ポリエステルの長所
・水洗いが可能なこと
・型崩れしないこと
・皺がよらない
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ポリエステルの短所
・毛玉が出来やすい
・黒ずみやすい
・汚れが付きやすい
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ラテックスの長所
・汚れが付きにくい
・消毒効果や殺菌効果がある
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ラテックスの短所
・直射日光に劣化しやすい
・高熱に劣化しやすい
・塩素や漂白剤に劣化しやすい
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注意書きは必ず見ておこう!
また、以下の注意書きがあります。

①手洗いしてください
②塩素系洗剤・漂白剤は使用しないでください
③タンブラー乾燥はしないでください
④陰干ししてください
⑤毛羽が他の製品に付着する可能性があります
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素材の特徴と注意点で道具を決めよう!
今回はバスマットの水彩絵の具のシミを落とす作業を行いますので、バスマットの素材の特徴や落とし方の注意点について触れましたが、他の衣類にできた水彩絵の具のシミを落とす際にも同じように表示された素材や注意点を確認しましょう。
そうすることで、シミ落としに使用できる道具、または使用できない道具が何であるかについても理解することができます。
シミ落としにはこれ!
シミ落としに絶対欠かせないのが、何を使用してシミを落とせばいいのかという知識です。 今回、バスマットのシミを落とす際に使用して、最も効果があったと感じられた道具について 紹介します。
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シミを落とすのに最適な道具
シミを落とすために使用するものは以下の4点!
①お湯(水温40度から50度のもの)
②歯磨き粉(漂白剤成分のないもの)
③家庭用アルコール(エタノール入り)
④歯ブラシ
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シミ落としは接着剤から
お伝えしたとおり、水彩絵の具の顔料は水にも油にも溶けない性質を持っています。
そのため、シミを落とす作業の過程でまず、顔料をつなぎとめる接着剤を落とす必要があります。
接着剤を落とすにはアルコールのエタノール成分が有効であり、アルコールで表面に浮いた接着剤を落とすには40度から50度のお湯が必要になります。
シミ落としの手順
実際にシミ落としを行っていきましょう。ただし、シミを落とす作業についてもやはり必要な手順が存在します。手順を正しく行うためには、水彩絵の具の成分の特徴を念頭に置きながら作業を行う必要があります。なぜならば、水彩絵の具の成分の特徴などが正しく理解できていなければ、シミをきれいに落とすことが出来ないからです。ここでは、水彩絵の具の特性を踏まえて、分かりやすくシミ落とし作業の手順について解説します。
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作業前に必ずお湯に浸そう!
水彩絵の具のシミは水分が蒸発して絵の具の成分が繊維の奥深くに凝固してできたものです。そのため、そのシミを落とすにはまず、お湯に浸して水彩絵の具の成分を繊維の表面に浮かして落としやすくする必要があります。
したがって、

シミを落とすための第1段階で
お湯にシミの部分を浸して水分を十分に浸透させます。
この状態で10分ほど待ちます。

10分後にお湯から取り出します。
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アルコール液を浸そう

第2段階で、まず、顔料をつなぎとめる
接着剤をまず落とす必要があります。
そうすることで、顔料をつなぎとめている接着剤を洗い落としやすくします。シミの部分にまんべんなくアルコールを染み込ませるために歯ブラシを使用します。

ただし、この作業はあくまで接着剤を洗い落としやすくするためにアルコールを染み込ませるだけのためのものなので、歯ブラシをアルコールに浸してシミの部分に軽く押し付けるくらいの程度の作業で十分です。


そして、シミの部分にアルコールをまんべんなく付けることが出来たらアルコール成分が繊維の奥にまで浸透するのを待つために、再度、5分ほど寝かしておきます。
次に、アルコールを染み込ませたシミの部分を再度お湯につけて指先で軽くほぐすようにしながら洗い落とします。

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歯磨き粉を使ってシミを落とそう!

第3段階では、実際にシミを落とす作業を行います。
バスマットの表面に浮いた接着剤と顔料を落とすために
歯磨き粉と歯ブラシを使用します。
歯磨き粉の成分に含まれる研磨剤がシミ落としに有効です。歯ブラシに歯磨き粉をつけます。歯磨き粉をシミの部分に浸透させて歯磨き粉で接着剤と顔料を吸い取りお湯で洗い落とすための作業ですので歯磨き粉を少し多めに使用しても構いません。

シミの範囲や深さによって調整するのがよいでしょう。
衣服などの薄手の生地であれば内側にタオルなどを当てて下敷きにして磨くようにすると、沁み出した汚れを吸い取ってくれるので、タオルを用意しましょう!

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歯磨き粉をゆっくり馴染ませよう!
歯磨き粉で磨くときに注意すべき点として、歯磨き粉には研磨剤が含まれるという点があります。
したがって、強く磨いてしまうと研磨剤によって繊維を傷めてしまうことになるため、ゆっくりと優しく行っていきます。まず、シミの部分に浸透させるために歯ブラシで軽くシミ部分を叩き歯磨き粉をなじませていきます。


シミの部分にまんべんなく歯磨き粉をなじませたら、ゆっくりと円を描くように歯ブラシでシミ部分を30秒ほど滑らしていきます。



歯ブラシで再度叩きながら、円を描くように滑らせる作業を4回か、5回繰り返します。
そうすると、歯ブラシに水彩絵の具の色がついていくのが確認できるはずです。シミの部分につけた歯磨き粉をお湯につけて手でほぐすように洗い落とします。

実際にかなりの量の水彩絵の具のシミを落とすことができたことを確認することができるはずです。


もし、まだシミが少し気になるならば、一連の作業を再度繰り返し行います。
作業を終えたら一度洗濯をします。
まとめ
果たして、シミを落とすことが出来たかどうか、確認しましょう!
なお、今回はバスマットのシミを落とす作業を行ったため、バスマットの素材の特徴と注意点にしたがって洗濯します。ポリエステルは毛玉が出来やすいという短所があります。
また、ラテックスは高熱に弱く、直射日光に弱いという短所があり、洗濯機を使わずに水洗いする必要があること、また、乾燥機を使ったり、日干しにすることができません。必ず陰干しにする必要があります。このように、素材の特徴や注意点にしたがって洗濯することを忘れないようにしましょう!
歯磨き粉を使って、完全にシミを落とすことが出来なかった場合でも、最後に洗濯をすることによってシミを綺麗に落とすことが可能になります。

もし、それでもシミが少し気になるようであれば、一連の作業を再度繰り返すことで確実にシミを落とすことが可能です。是非、一度試してみてください!
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